maximam271828’s diary

あなたの人生に少しの砂利を

優れた上司についての考察

 私のアルバイト先の店長は、自身の半生に圧倒的自信を持っているため、よく、私たち大学生に”仕事”についての考え方を説いてくれる。いや説かれている。

 その店長は主に

  • 仕事を始めたときに気をつけること。

を、店長の体験に基づいて教えてくれる。アルバイトの中には当然、大学1年生の方々もいたり、店長に対して懐疑的な方々もいるのであるが、私はまだ見たことのない社会についての予習として、良い部分は良い。悪い部分は悪い。違うことは違うのでは?と思って聞いている。

 

  • 仕事を始めたときに気をつけること。
    •  一番責任が少ないときであるから、倫理的間違いを犯さないようにして、なんでも挑戦してみること。
    •  様々な分野で、できる人の真似をし、自身の能力を上げていく。
    •  とりあえず技術的な面で、”新人のレッテル”がなくなるまで多少の疑問はぶつけず頑張ってみる。

といったところである。概ねそうだなと思うのであるが、最後の一つに関して、相手に気を遣うことができる人であればあるほど、ストレスが溜まっていくのかなと思う。

 なぜかというと、新人期間を設けていたとしても、人それぞれには成長速度があり、新人期間を終わったとしても、その習熟度の保証にはならないし、「今日から新人扱い終わりね!」と言われても、新人だからこそ、どの部分で新人を脱却することができたのかわからないのではないか。こういう気持ちを持って働き、自身で脱却できたと思って意見を言ったとして、上司から「お前はまだ新人なんだから偉そうにするな。」とか言われようものなら、今後意見を言えなくなってしまうことがほとんどだろう。

 そもそも、最近、大人の方とお話しさせていただく機会が多々あるが、彼ら曰く、「自分が矢面に立ってまで、現状を変えようとしたり、意見を通すために根回しするような根性があったり、責任感がある人は少ない。」そうだ。一つ前の記事でも書いたが、なまじっか日本では頑張らなくても生きていけたり、怒られる(私は指摘と叱りは違うと考えているが)ことに慣れていない若者ばかりだという。未熟が故にちょっと指摘したら、モラハラパワハラと、そこだけ反応が早すぎるため、管理職世代の大人の方々は困り果てているそうだ。

 

 さらに店長の言葉で疑問を持ったものがある。

「仕事ができる上司に当たると、仕事が回ってこなくて、チャンスがないよ。」

と。最初、何も考えずに聞き流していたため、「そうなんかな〜」と思っていたし、文面だけ見れば賛成する人も少なくはないと思う。が、果たしてそうなのだろうか。もちろん仕事ができる人に仕事が集まることは承知しているが、店長の言う”仕事ができる上司”は中の下だと私は考えている。

 ここで言う仕事は俳優業などの個人の実力のみがものをいうものでないことは先に断っておく。

 上司は社長でもない限り、その上司が存在する。そして、部下がいるということはチームで仕事をするという理解をしている。となったときに上司Aがその上司の上司Bから期待されることはチームの売り上げを最大化することである。私は真にできる上司Aであれば、自身のパフォーマンスが仮に50%に落ちたとしても、合計のパフォーマンスが110%になることを目指すと考える。また、再現性の観点で言えば、自身のメソッドを余すことなく部下に伝え、上司Aジェネリックを増やすことが肝要であると考える。ここで店長と、私のできるビジネスマン像を簡略化して下に記す。上司Aが部下ができる前の売り上げを1000とし、部下が3人できるとすると

  • 店長の言うできる上司
    • 上司Aの売り上げ:1000、部下1:200、部下2:200、部下3:200
    • 合計:1600
  • 私の言うできる上司
    • 上司Aの売り上げ:500、部下1:400、部下2:400、部下3:400
    • 合計:1700

以上のように考えたとき、上司Bから求められる像として優れているのは上司Aだと思う。もちろん上記の数字の内訳は簡単のために設定しているのであって、結局チームの合計が少しでも上昇すれば良いのである。

 次のような意見もあると思う。部下ができたことで「頑張って1人で売り上げを1200にすればいいんだ!」と。果たしてそれは再現性があるだろうか。上司Aが上司Bの立場になり、部下1が上司Aの立場になるとき、同じように部下1は120%のパフォーマンスを叩き出せるだろうか?

 さらに、背中で見せたらいい。部下が自分の仕事ぶりをみて吸収すればいい。という意見もあるだろうが、部下はあなたならではの、例えば、身長が高い、美形、圧倒的話術を才能として持っているだろうか?再現性の観点からこの意見も私には響かない。

 

 私のアルバイト先の店長も結局、個人事業主で、社長のようなものだから、上記の考え方に至ってしまうのだろう。しかし、店長にはいいところがある。それは私たちの話をとりあえず聞いてくださるところである。本日もシフトに入っているので、ここに書いたような意見をぶつけてみようと思う。