転売ヤー
私はポケモンというコンテンツに長年お世話になっている。最初はDSのダイヤモンドからで、その後、エメラルド、ソウルシルバー、そしてホワイトというように当時の作品を必ず履修している。このポケットモンスターというコンテンツにはこういったニンテンドーのゲーム以外に”ポケモンカード”というコンテンツがある。私はLV.Xの時代にポケモンカードを始め、最近の”ポケカバブル”という現象が起こる前に再開した。
最近このカードのコンテンツにおいて、強盗事件であったり、悪質な偽物の取引であったり、転売により子供が手に入れられないという社会現象が起きている。これらの事件の原因はカードが子供向けにしてはあり得ないくらいの価値を持ってしまったところにあるが、”その”原因は
ことが挙げられる。
一つ目の「最初にポケモンに触れていた世代がお金を持ち始めた。」ことは以前も書かせていただいたが人間の収集癖にも起因している。ポケモンはちょうど全ての名前を覚えることができ、全て個性的であり、遊戯王などに比べれば、頑張れば全てコレクションできそうなカードゲームである。ポケモンカードは当初１枚高くても1000円品くらいの価値であったため、何の気なしにお金を持ち始めた最初の世代が収集欲を満たすためにコレクションし始めたことは想像に難くない。
次に「SNSの発展により、より多くの人に価値を認知された。」ということであるが、これは”ポケモン”というコンテンツに対し、ある一定の方向からの視点しか持ち得なかった層が、他の視点からもポケモンをみることができるようになったということである。つまり、たかだか”ゲーム”の範疇のものが”アート”の側面であったり、”教育”として価値が認知されるようになったということである。ここでこれらの側面について詳しく書くことはあえてしないでおく。
以上のことを踏まえて強盗、贋作、転売の社会現象に触れていこうと思う。
・強盗
これは犯罪である。よくないことである。2022年以降カードショップの強盗事件がよく目に入るイメージである。これはカードの人気により販売店が増えたことやそもそも価値が上がっている。つまり宝石のように価値があるものになってしまっていることが原因である。宝石のように一つ一つに判別可能なほどの個性はなく、お金のように定まった価値があるわけでもないため、余計に気軽に盗みやすいのではないかと考える。
・贋作
これに関しては難しい。カードの個人的な楽しみのためにコピーしたり、模造品を作ることに関しては確か規制はされていないはずである。が、公式大会では使えないし、偽物で利益目的に商売すること(本物と偽って多大な利益を得ること)は詐欺罪に当たるような気もする。ただ、価値が上がり投資商品としても見られるようになってしまったいま、素人からすると本物と偽物の区別は難しいのではないか。それが故に詐欺の餌食になるケチな人が声を上げ始めている。
・転売
ようやくメインテーマの転売である。ここでいう転売は偽物のカードを本物と偽って高く売ることではない(これを転売と誤解している人は多い。)。入手の難しい商品をニーズに合わせてプレミアム価格で販売すること、もしくは少しでも元値よりも高く売ることである。私がポケモンカードしか買わないため、ポケモンカードを例に話を進めるが、カードの入手方法として
- パックから自引きする。
- イベントなどで特別に手に入れる。
- カードショップでシングル買いする。
などがある。パックから自引きすることが一般的であり、高レアリティのものは30パック購入して1〜2あたるかどうかといったところである。つまり2700~5400円ほどの価値があると言って差し支えないだろう。賢い皆さんはお気づきだろうが、高レアリティのカードの中でも人気、不人気のものがあるが故に価値が1000~10800円ほどに、ポテンシャルとして可変的なものになる。これに拍車をかけるのが転売ヤーの存在なのである。買い占めることにより流通枚数を単純に1/2にするとしたら2000~21600円に価値が高まるということだ。このことは何か問題なのだろうか？確かに子供の遊び道具が幾万円もすることにより望まないトラブルが起きることは想像に難くないが、それは転売ヤーでなく親の教育の責任である。
結論。転売は犯罪でなく商売の基本であるため規制は難しく、金のない一般ユーザーは指を咥えて見ているしかない。自分の欲しいものを買えないもしくは買うことのできる手段を講じる知識、お金がないという理由で純粋な転売ヤーを攻撃するのはやめましょう。
私が思うに、転売と勘違いされがちな、偽物を本物と偽って売りつける行為、悪徳な福引商法、未開封詐欺が最も解決すべきことである。
ただ、子供を対象とした商品を買い占め、高額で転売し、利益を得るような大人にはなりたくないと思う今日この頃である。
